第2話ボウリング

ボールになりたっかたんです。
レーンの向こう、ピンの向こう。
あの向こうの世界を知りたかったんです。
いや、ただ目立ちたかっただけなのかもしれません。
それでも、『うわー』って転んだフリとか、押されたフリとか、
なんとかして自分で突っ込んでみたかったんです。
でも、そんな度胸はなく。そしてボケるには遠すぎる距離。
もういいおっさんだけど、いつかチャンスがあるなら飛び込みたいなあ。